箸使いのムサシくん

2
6

箸使いのムサシくんは凄い。
飛んでいるハエを箸で掴むのだ。
それは見事な箸さばきである。
次々にひょいひょいとハエを掴んでいく。
まるで手品でも見ているようだ。
きっとムサシくんの箸には羽根が生えているに違いない。
そんなムサシくんが、おもむろに七輪を取り出した。
何をするのかと思いきや、掴んだハエを炙り始めたではないか。
食べるつもりなのだろうか。
それにしても、これまた巧みな箸さばきである。
ハエをころころと満遍なく炙っていく。
みるみるうちにハエはこんがり焼き上がった。
そこでムサシくんに異変が生じた。
焼き上がったハエを掴むことに苦戦していたのだ。
先程までの箸さばきは見る影もない。
ムサシくんが掴み損ねたハエが、ぽろぽろと七輪から落ちていく。
その落ちたハエを見た僕は「ははーん」と思った。
火で炙ったことにより、ムサシくんの箸に生えていた羽根も、ハエの羽根と同じく焼け落ちたのだ。
その他
公開:20/10/28 00:40
『は』から始まる『七輪』 そるとばたあTwitter企画 #ことば公園

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容