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「うーん……」
採用担当の田中は、両手に履歴書を持ったまま頭を抱えていた。
「どうした?田中」
「あ、先輩。例の隠し芸大会なんですが、珍しい経歴を持ったお爺さんが二人、応募してきてくれたんです」
「へぇ?良かったじゃないか」
「でも、肝心の隠し芸が、まだ決まっていないみたいなんです。面白い二人なので、ぜひ出演させたいんですが……」
「ちなみに、どんな経歴を持っているんだ?」
「一人は、桃を切る名人です。桃の中に入っている人間を傷つけずに、切ることが出来ます。もう一人も同じく、中に入っている人間を傷つけずに、竹を割ることが出来ます」
「どこかで聞いたような話だな……。でも、それなら人体切断マジックで決まりだろ。その二人の才能があれば、タネも仕掛けも無しに、マジックが披露できるはずだ」
「その手がありましたか!」
桃爺と竹爺。
あの昔話を彩った老人の新たな伝説が、幕を開けようとしていた。
採用担当の田中は、両手に履歴書を持ったまま頭を抱えていた。
「どうした?田中」
「あ、先輩。例の隠し芸大会なんですが、珍しい経歴を持ったお爺さんが二人、応募してきてくれたんです」
「へぇ?良かったじゃないか」
「でも、肝心の隠し芸が、まだ決まっていないみたいなんです。面白い二人なので、ぜひ出演させたいんですが……」
「ちなみに、どんな経歴を持っているんだ?」
「一人は、桃を切る名人です。桃の中に入っている人間を傷つけずに、切ることが出来ます。もう一人も同じく、中に入っている人間を傷つけずに、竹を割ることが出来ます」
「どこかで聞いたような話だな……。でも、それなら人体切断マジックで決まりだろ。その二人の才能があれば、タネも仕掛けも無しに、マジックが披露できるはずだ」
「その手がありましたか!」
桃爺と竹爺。
あの昔話を彩った老人の新たな伝説が、幕を開けようとしていた。
ファンタジー
公開:20/10/27 22:47
11/4~11/13の期間、「勝手に秋のお茶漬けデー」と題しまして、お茶漬けの物語を投稿中!(ストーリーに繋がりはありません)
11/4:「御茶ノ漬駅へようこそ」
11/5:「茶漬湖の底へ」
11/6:「神々しきお茶漬け」
11/7:「お茶漬け勇者の箸と匙」
11/8:「茶漬中毒」
11/9:「米どころ、茶漬けの祟り」
11/10:「茶が先か、卵が先か」
11/11:「檻の中。お茶漬けと一人」
11/12:「お茶漬け博物館」
11/13:「明日のお茶漬け」
お茶漬け、完結。充実したお茶漬けデーになりました……!
Twitter、ゆった~りと更新予定です。
https://twitter.com/dirokichiro?s=09
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