素敵な鍵

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首に鍵を下げた猫が女の子に話しかけた
「あなたにこの鍵をあげる」
「なあに?」
「これは持ち主の行きたい世界の扉を開ける魔法の鍵なの。あなたにあげる」
「ありがとう」
女の子は賢すぎるほど賢かった
なんだか胡散臭い。そうだ、お母様にあげましょう
「猫さんから頂いた鍵がとてもきれいだからお母様にあげるわ」
女の子は鍵を渡した
「まあ、あなたは優しい子ね」
母親は鍵を受け取った
母親は美しいが、あまり賢くはなかった
母親は鍵を夫に譲ることにした
使い道がわからないからだ
母親は鍵を渡した
男はその鍵で扉を開いた
しかしそこには、ただ真っ暗な闇が広がっているばかり
試しに近くの万年筆を投げ入れてみたが、音沙汰なし
しめたと男はつぶやいた
こうして、その真っ暗な世界には、廃棄物や大型のゴミ、ついには死刑囚までが放り込まれることとなった
彼らの居場所は、まだわからない
ファンタジー
公開:20/10/27 22:32

かさ( 愛媛 )

来年以降のいきかたが決まりましたヽ(=´▽`=)ノ

コメント読んだりお返事したりするのはとても好きなので、気楽にコメントいただけると嬉しいです。

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