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散歩中、『頭上注意』の看板で立ち止まった瞬間、頭の上に直撃食らった。
――ぼふっ!って効果音でぶっ刺さったのは、幸い俺の頭皮じゃなく、差してたビニール傘だ。『頭上注意』の延長線に、でっかい栗の木。固そうな緑のイガが鈴生りになってる。
「お、ミドリウニ。うまそー」
便所行ってたダチが、戻るなり一言。
「この辺じゃ、イガの事『ウニ』っつーの?」
「いや、イガはイガ。これはミドリウニ」
ダメだ意味不明。――ぼふっ!そして2個目が被弾。
「今の時期、イガに擬態して栗の木に潜んでんだけど。下で傘差すと、餌のアメクラゲと勘違いして降って来んだよ」
「うまそーって、こいつ食えんの?」
「だってウニだし」
「百歩譲って茶色いやつだろ」
「茶色いのは死んだやつ。塩水に3日漬けるのがミソな。絶品だから試してみ、騙されたと思って」
って事で、今ビン詰めの塩水ミドリウニを目の前に、正直騙された気しかしねぇ……。
――ぼふっ!って効果音でぶっ刺さったのは、幸い俺の頭皮じゃなく、差してたビニール傘だ。『頭上注意』の延長線に、でっかい栗の木。固そうな緑のイガが鈴生りになってる。
「お、ミドリウニ。うまそー」
便所行ってたダチが、戻るなり一言。
「この辺じゃ、イガの事『ウニ』っつーの?」
「いや、イガはイガ。これはミドリウニ」
ダメだ意味不明。――ぼふっ!そして2個目が被弾。
「今の時期、イガに擬態して栗の木に潜んでんだけど。下で傘差すと、餌のアメクラゲと勘違いして降って来んだよ」
「うまそーって、こいつ食えんの?」
「だってウニだし」
「百歩譲って茶色いやつだろ」
「茶色いのは死んだやつ。塩水に3日漬けるのがミソな。絶品だから試してみ、騙されたと思って」
って事で、今ビン詰めの塩水ミドリウニを目の前に、正直騙された気しかしねぇ……。
ファンタジー
公開:20/10/25 21:59
散歩道で見た
シーズン3-④
ミドリのイガイガ
※良い子は真似しないで下さい
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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