レッドオーシャン

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人類の進化は止まらない。だから科学技術も日進進歩だ。でも、そんな進歩とは反比例するように、内向き志向や事なかれ主義も蔓延の一途をたどった。

だから、人類は思いきって宇宙に飛び出すことをためらい続けた。

未知との遭遇が、怖かったから。

必然的に、膨らみすぎた人口は宇宙ではなく海へ。海底に家を建てて暮らすなんて、もはや、お安い御用だ。ただ、海底住民が増えるにつれ、豊かな海資源は失われていった。ここでも破壊は止まらなかった。

すでに地上で採れる肉や野菜は廃れ果てていた。

いよいよ、人の食糧は底を突く。

そして人同士の共食いが始まり、人類が人類を食べ尽くす時代を迎えるのだった。



こんな寓話、B級漫画ではよくある話だ。けれど、人類が横暴をやめない限り、そう遠くない未来に現実となってしまいそうな話でもある。

自然と相対した時、人類それ自体こそがB級である現実に気づかないままならば。
SF
公開:20/10/25 17:48

ふみなか( 東京 )

40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。

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