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「それ、ネズミ講だよね。やるわけないじゃない……馬鹿にしないで!」
ユキから久々に「ご飯でも食べよう」という連絡があったのが先週のこと。当日、ファミレスに連れていかれた段階で気がつくべきだったかもしれない。ものの15分もしないうちに「カオリは夢とかってないの?」と切りだしはじめ、持参していたキャリーバックから、ナベや洗剤のセットが出てきていた。
長々とした説明に限界を感じ、私は冒頭のセリフを吐く。取り出した1000円札を机にたたきつけ、後ろを振り向くことなくそのまま家路についた。憂さ晴らしに、母にでも今日の顛末を話そうと思い、食卓に乗り込んだとき、私は気がついた。机の上に山のように置かれていた、見覚えのあるナベや洗剤のセットに。
「これは本当にいい商品なんだよ……ほら、親父やおふくろにも夢とかあるだろ?」
両親に向かって、意気揚々とそれらの良さを語っていたのは、他ならぬ私の兄だった。
ユキから久々に「ご飯でも食べよう」という連絡があったのが先週のこと。当日、ファミレスに連れていかれた段階で気がつくべきだったかもしれない。ものの15分もしないうちに「カオリは夢とかってないの?」と切りだしはじめ、持参していたキャリーバックから、ナベや洗剤のセットが出てきていた。
長々とした説明に限界を感じ、私は冒頭のセリフを吐く。取り出した1000円札を机にたたきつけ、後ろを振り向くことなくそのまま家路についた。憂さ晴らしに、母にでも今日の顛末を話そうと思い、食卓に乗り込んだとき、私は気がついた。机の上に山のように置かれていた、見覚えのあるナベや洗剤のセットに。
「これは本当にいい商品なんだよ……ほら、親父やおふくろにも夢とかあるだろ?」
両親に向かって、意気揚々とそれらの良さを語っていたのは、他ならぬ私の兄だった。
ホラー
公開:20/10/25 17:09
たけのこです。
諸事情によりきのこたけのこ論争には加担できません。
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