静かなる暗殺者

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「伊藤玲子に縁のある者を殺せ」それが殺し屋である男への依頼だった。

玲子は資産家の養女だ。
1年をかけて養父母、義妹、恋人、親友と玲子にとって大切な存在を殺していった。
「玲子と関わると死ぬ」という噂が広まり、親類縁者、友人知人、誰もが玲子から離れていった。
男は玲子の不思議な魅力に気がついた。悲しみが深まるほど、死と孤独が濃くなるほど、美しくなるのだ。
いつしか男は玲子を愛するようになった。

やがて「玲子を殺せ」という依頼が来た。男は決心した。

孤独に包まれて眠る玲子はとても妖艶だった。
男は首筋にナイフをあて囁いた。アイシテル。
「ああ、私は」玲子の目から涙が伝う。「孤独なまま殺されたいのに」
冷たい感触。ぐるりと天井が傾いた。男の首筋から生温かい血が溢れ出す。
お前が噂の“静かなる暗殺者”かーー。

玲子と縁のある者は死ぬ

うすれゆく意識の中で、玲子はさらに美しくなっていた。
ミステリー・推理
公開:20/10/26 15:27
殺し屋

小川さら

口下手で面白い事が言えません。
だから書いてみます。

忌憚のないご意見をお待ちしております。
 

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