天秤甘栗
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その日は最悪だった。
私から誘ってデートにこぎつけた男は待ち合わせ場所の中華街に現れず、お気に入りのイヤリングは片方どこかに落としてしまった。
こうなったらヤケ食いじゃ、と目に入った屋台の天津甘栗を注文する。
あいよー、と気の良い返事をする店員さんは古めかしい天秤の片方に重り、片方に紙袋を置いてそこにザザザと甘栗を流し込んでいく。
「んーおねえさん今日ついてないみたいね」
がま口を片手に待っているとそんな事を言われる。ヤバ、顔に出ていたか。
「釣り合うようにサービスしとくよ」
そういって追加の甘栗を流し込むと、天秤の針が水平を示した。なんだよ、サービスどころかピッタリじゃないか。
甘栗を摘みつつ歩いていると、男性に声をかけられた。どうやら、私のイヤリングを拾ってくれたらしい。話すととても良い人で、なんと連絡先を交換する事になった。
なんだか、運のバランスが釣り合ったみたいだ。
私から誘ってデートにこぎつけた男は待ち合わせ場所の中華街に現れず、お気に入りのイヤリングは片方どこかに落としてしまった。
こうなったらヤケ食いじゃ、と目に入った屋台の天津甘栗を注文する。
あいよー、と気の良い返事をする店員さんは古めかしい天秤の片方に重り、片方に紙袋を置いてそこにザザザと甘栗を流し込んでいく。
「んーおねえさん今日ついてないみたいね」
がま口を片手に待っているとそんな事を言われる。ヤバ、顔に出ていたか。
「釣り合うようにサービスしとくよ」
そういって追加の甘栗を流し込むと、天秤の針が水平を示した。なんだよ、サービスどころかピッタリじゃないか。
甘栗を摘みつつ歩いていると、男性に声をかけられた。どうやら、私のイヤリングを拾ってくれたらしい。話すととても良い人で、なんと連絡先を交換する事になった。
なんだか、運のバランスが釣り合ったみたいだ。
ファンタジー
公開:20/10/24 19:53
平成元年生まれ、最近はショートショートあまり書いていませんでした汗
ログインできてよかったぁ…
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