えんだなぁ

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「あなさ~ん」フランス人留学生のエマは俳句が好きな渋め女子。フランス人あるあるでハ行が言えず「華さん」は「あなさん」だ。そんなエマと熊野古道に来た。日常を離れ樹林を歩くのは気持ちいい。「あなさん、苔」石畳の苔に興奮気味のエマ。林の先には桜が見える。ホーホケキョ。「あるですね~」「春ですね~」

ドクッ ドクッ。ん? 鶯の声に交じり微かな音が聞こえる。洞穴の方からだ。近づいて覗くと中に熊が。「熊の鼓動…」。と、エマが一句詠んだ。
「えんだなぁ くまがパジャマで スマホだよ」
変なこともあるもんだ。冬ごもり中のその熊はパジャマでスマホをいじりながら寝ていた。あ~眠くなってきた。急な睡魔に二人はごろんと横になる。

んがっ!自分の鼾に驚き目を覚ますと、目の前にひげもじゃの熊。
ひいっ!
声を失う華に、熊が笑顔で囁いた。
「えんろはるばるようこそ」
桜の花びらがはらはらと、えんを描いて舞い降りた。
その他
公開:20/10/24 15:31
更新:20/10/24 15:44
エマ語(はひふへほ ⇒ あいうえお)

マーモット( 長野県 )

初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
 

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