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赤いポロシャツに、アイボリーのボトムスを身につけた恰幅のいい金髪の男。眩しそうに空を見ると、私に近寄ってきた。
「世間は言いたいことを言ってるな」
同情なのか個人的な怒りなのか判然としない口調でそう言うと、不敵に笑った。
「まあ、それが世間の仕事ですからね」
彼は馬鹿を言うな、といった風に大袈裟な身振りで驚いてみせた後、首を振った。
私がおもむろにショットすると、ボールは風に煽られながらも、どうにかフェアウェイに着地した。
「グッド」
「センキュー」
彼はにこにこ頷きながら球を置き、グリップを握りしめて姿勢を正す。
「大統領」
「ヘイ」
いまは話しかけるな、という意味だ。だがこちらを一瞥すると、表情を変えた。
「どうしたんだ? その目の色」
次の瞬間、ネットワークに彼の意識が吸収された。
赤く目を光らせ、私達は頷きあった。

翌週、米国から中国へ向けて弾道ミサイルが放たれ、戦争が始まった。
ミステリー・推理
公開:20/10/26 07:00
更新:20/10/24 22:48

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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