映画館では隣は空席のはずだが?

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「おやおや、君もこの映画を?」
あ、貴女は栗色ロングヘアの美人生徒会長、桃園円香先輩!
「ええ、まぁ」
「おっと、自分の席に飲み物をこぼしてしまったよ」
円香先輩は倒れたジュースのカップを元に戻した。
先輩が二つ隣の座席だなんて偶然、かな…。
「あの、良かったらこれ使って下さい」
「うん」
円香先輩は僕のハンカチを胸ポケットに挿し入れると、僕の一つ隣の座席に腰を降ろした。
「いや、なに平然と隣に座っているんですか!何のためにハンカチ渡したと思ってるんですか!」
「これは生徒会長である私への捧げ物として受け取っておこう。家宝にするよ」
「返す気なしかよ!」
「コロナの感染予防はわかる。だが私にも私の事情がある」
先輩の髪の匂いが…。
肩と肩が触れ合って…。
「それに映画館では静かにしなくちゃダメだぞ」
先輩が耳元で囁く。
「上映中は何があっても声をあげないこと」
「何があってもって、何??」
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公開:20/10/23 11:27
更新:20/10/23 11:33
本日の妄想 桃園円香先輩

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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