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大きくて立派な門の前に、小さなコスモスが立っている。
コスモスは私に問いかける。
「君は正しく生きているか」
私は何も答えられず、後退る。

男の子がやってきて、コスモスの前に立つ。
コスモスは問いかける。
「君は正しく生きているか」
男の子は答える。
「はい」
風が強く吹いた。男の子はきらきらしたぐちょぐちょの暗闇の渦の中へ消えていった。

誰かが平和を祈る。誰かが正しい線路の上をゆく。
敷かれたレールのうえからはみ出たら、ひとりぼっちになる。みんなそれを恐れている。

必死にしがみついていた線路が私の目の前から消えた。
やみくもに走り抜けた。怖かったけれど、私は勇気をだした。少し気持ちが良かった。

私は宇宙に出た。星が輝く宇宙に。地球が見えた。あの門の前にはまだあのコスモスが偉そうに立っている。

私は自分が立っている宇宙を見た。

私はコスモスの形をした宇宙に立っていた。
その他
公開:20/10/23 00:21

きらきらのべる

読書が趣味で、自分でも書いてみたいなと思い始めました。
マイペースに投稿、どうぞよろしくお願いします。

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