お母さん食堂

お母さん食堂。
そこは知る人ぞ知る食堂で、温かな店名だが、研究施設の一部で、”母の料理”をテーマに研究をしている。
僕は、ほぼ毎日と言っていいほど、この食堂に通っている。
今日は、新たに改良したメニューがあると聞かされ食べに来た。
僕は、おいてあるメニューを見て思わず吹き出す。
〜メニュー〜
・母特製、残り物のオンパレード
・冷蔵庫の整頓の日メニュー
・母はビーフカレーと言い張るが、鶏肉がゴロゴロのカレー
・明らかに残り物チャーハン
・母、同窓会で帰宅が遅れた時の晩御飯のメニュー　など…
僕は無難にカレーを注文した。
カレーの香りが鼻を突き、目の前に運ばれてくる。
「はい、おまちどおさん。カレーだよ」
「おいしそう！」
「あんた、カレーを注文したっていうことは…」
僕はすっかり忘れていた。
ここは普通の食堂ではなく、”お母さん食堂”。
一度作ったカレーは、最低でも３日間は続くということを。