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あ、ほんとに動けないや。
実際どんな感じだろうかと、少しく興味はあったものの、いざ身に降り掛かってくるとどうしていいかわからない。
意識ははっきりしているのに、体はピクリとも動かない。もちろん呼吸はしているし、石みたいにこちこちに固まっているようなわけでもないが、単に動けないのだ。目玉だけが辛うじて動く。
連夜の睡眠不足が祟ったのかもしれない。

不意に、ぽたぽたと水滴が落ちてきた。ちょうど顔の位置に落ちてくるので、なんだろうと思い天井に目をやると、黒い穴が空いていた。
穴の中から蛆虫みたいなものが這い出してきている。水滴と思ったものは……水滴ではなかったらしい。

声が出せず、叫びは恐怖を発散させるためにあるのだと改めてわかった。穴の奥から緑味がかった巨大なミミズが垂れ下がってくると、僕の首が勝手に真上を向き、顎が開き始めた。

ゆっくりと近づいてくるそれは、僕には絶望そのものに見えた。
ホラー
公開:20/10/23 07:00
更新:20/10/22 19:44

レオニード貴海( 富んで埼玉(願望) )

小説書きたい症候群に罹患したアラサーITエンジニア兼、二児のダディ。作家志望の人、活字好きな人とゆるーく繋がりたいようなこの頃。

毎日一作目標で書いてます。
(午前7時更新)

気軽にコメントもらえると泣いて喜びます。
よろしくです。

twitter/@takamileovil

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