用心棒

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腕利きの用心棒がいるという噂を耳にして、商人は旅の途中にその男を雇った。
精悍で逞しい男であった。心強い。
山深い隘路を進んでいると、果たして山賊どもが現れた。
「先生、お願いします!」
商人が声をかけると、用心棒はにっこり笑って山賊の親分の前に進みでた。
「どうぞ何もかも持っていってくだせえ」
「話がわかるじゃねえか!」
山賊の親分は大笑いし、本当に何もかも持っていってしまった。
商人は腹の虫が治まらない。
「まあまあ、こっからが本番よ」
用心棒は不敵な笑みを浮かべると、こっそりと山賊の後を追い、隠れ家の洞穴を突き止めた。
そうして大木を切り倒して出口を塞ぐと、火を焚き、中の山賊を燻して皆殺しにした。
後から洞穴を探ると、これまで山賊が略奪してきた財宝も出てきた。
「物は取り戻したぜ。おまけに金銀財宝もある。まだ不満があるかね?」
「ととんでもございません!」
商人はひれ伏して詫びた。
その他
公開:20/10/21 23:48
更新:20/10/21 23:49
用心棒役は 三船敏郎を イメージしました

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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