相関図

ペロブスカイトの愛人Ａとその関係者たちの相関図を作るよう命じられたので聞き取り調査を開始した。
愛人Ａとその元夫との間いには一男一女があり、息子はペロブスカイトの従兄弟でもある。娘はＡの元夫の義理の姉の連子であった。Ａの両親は健在で、父親は妻の他に三人の愛人を囲っており、それぞれに生ませた子どもたち八名をみんなＡに託している。Ａの母親は子供をＡに預けたあと出奔し、Ａの息子つまり自分の孫と共同生活をしたあとＡの元夫と駆け落ちしようとしてとどまり、今は行方不明。
相関図に線を引くと何本も増えて重なり、線絡みあって輻輳する。愛人Ａの箇所にはたくさんの線が集まって真っ黒になった。
ところでペロブスカイトとは何者なのか？　何処にいるのか？　私は知らない。人間かどうかも不明である。確かなのは愛人Ａが今日も元気で太陽の光を浴びて腰をふりふり洗濯物を干しながら明るい声で歌っていることだけだ。