大事なモノ
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「さあどうする?ふるか?」
サングラスの男はもう一度、俺に聞いた。
何故こんなことになってしまったんだろう。たまたま立ち寄った場末のバーが、闇カジノをやってるなんて。
「簡単なルールだろ?」と男は言った。「サイコロをふって、奇数が出れば1000万やる。偶数が出れば、お前の一番大事なモノを奪う」
1000万。ちょうど俺の借金と同じ額だ。この金さえあれば俺は普通の人間に戻れる。しかし、一番大事なモノとはなんだ?俺は天涯孤独だし、財産なんて何もない。すると…。命か。
「どうする!」
男は凄んだ。
命くらい、くれてやる。俺は借金を返して人生をやり直す。
…俺はあの時サイコロをふって、確かに偶数を出した。しかし何故か俺は生きている。借金取りはあの日以来、来ない。しかし、張り合いがなくて仕事もやめちまったし、物欲もなくなった。
そうか、いつの間にか、借金を返すことが俺の生き甲斐になっていたのか。
サングラスの男はもう一度、俺に聞いた。
何故こんなことになってしまったんだろう。たまたま立ち寄った場末のバーが、闇カジノをやってるなんて。
「簡単なルールだろ?」と男は言った。「サイコロをふって、奇数が出れば1000万やる。偶数が出れば、お前の一番大事なモノを奪う」
1000万。ちょうど俺の借金と同じ額だ。この金さえあれば俺は普通の人間に戻れる。しかし、一番大事なモノとはなんだ?俺は天涯孤独だし、財産なんて何もない。すると…。命か。
「どうする!」
男は凄んだ。
命くらい、くれてやる。俺は借金を返して人生をやり直す。
…俺はあの時サイコロをふって、確かに偶数を出した。しかし何故か俺は生きている。借金取りはあの日以来、来ない。しかし、張り合いがなくて仕事もやめちまったし、物欲もなくなった。
そうか、いつの間にか、借金を返すことが俺の生き甲斐になっていたのか。
ファンタジー
公開:20/10/20 17:37
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