紺碧色の角砂糖

8
9

 沈んだ気持ちで、馴染みの喫茶店へ。
 「いつもの…お願いします」
 「かしこまりました」
 

 「お待たせいたしました、ブレンド珈琲です。そして、今日は、こちらもご一緒に」

 店主から渡されたのは、紺碧色の角砂糖。

 珈琲に入れる。
 すると、角砂糖は溶け、珈琲のなかに、ある星座が浮かび上がった。


 「どうぞ、召し上がってください」


 ひとくち。

 脳裏に、あるシーンが浮かび上がった。



 星空を駆け抜ける、獅子の姿。
 勇ましく、誇らしげだ。



 「獅子座は、自己を表現する星座です。受け身でなく、あなたらしく。それが大切なのではないでしょうか」


 



 喫茶店からの帰り道。
 沈んでいた気持ちが嘘のように、足取りは軽い。

 あの獅子のように、勇ましく。
 そして、私“らしく”。



 そんな私を見守るように、空では獅子座が輝いていた。
その他
公開:20/10/20 15:09
更新:20/10/20 21:10
自分らしく 輝きたい

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人1年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



note https://note.com/sumire_ssg

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容