漫画家の恋の結末（中）～こびと派遣業 ミジェット～

担当は急いで持ち帰った。その号で流の漫画は４位にランクアップした。

「今後も小人たちに頼みたいです」
「アシが見つかるまではいいでしょう」と担当。
流の今後の為にはアシスタントを付けた方がいいのだが状況が許さない。雪も快く承諾した。

ついに流は３位となりトップの背中が見えてきた頃、彼はスランプに陥った。
年上の白井雪に惚れたのだ。若すぎる流は感情を上手く制御する術を持たなかった。しかし漫画に全てを賭けていた。
担当は気付いていたが、下手なことを言うと火に油を注ぐ。思い余って雪に相談した。

「流先生が白井社長に惚れたのです」
「あら、まぁ」
白井雪は流に好い印象を持っていたが、恋人や結婚相手になど考えてもいなかった。そう伝えると、
「先生は自戒していますがこのままでは潰れてしまいます。何か打つ手はありませんか？」
「魔術師に相談しますわ」雪は軽く言った。