朝、二人ご飯
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                                妻は、所謂キャリアウーマンというやつだ。大手企業に勤めていて、毎日忙しく働いている。僕は主夫として、そんな妻を支えていた。
夜遅くまで働く妻は、会社の人との付き合いもあり、忘年会や新年会といった行事にも基本的に参加している。その為、結婚してからも、二人で過ごせる時間というのは、普通の夫婦に比べて少なかった。「俺ならそんな結婚生活耐えられないね」と、古くからの友人に言われたのは記憶に新しい。
けれど、彼は一生分からないだろう。
「おはよ···」
「おはよ。昨日も遅かったみたいだね。コーヒー飲む?」
「飲む。今日はミルクと砂糖マシマシでお願い」
「ん」
焼きたての二枚のトーストと、ベーコンエッグ。湯気の立つコーヒー。そして、向かい合って座る僕と妻。
「いただきます」
こうして、二人の声が重なる朝のこの瞬間が、僕らにとって何よりの幸せであるということを、彼は一生分からないままなのだろう。
    夜遅くまで働く妻は、会社の人との付き合いもあり、忘年会や新年会といった行事にも基本的に参加している。その為、結婚してからも、二人で過ごせる時間というのは、普通の夫婦に比べて少なかった。「俺ならそんな結婚生活耐えられないね」と、古くからの友人に言われたのは記憶に新しい。
けれど、彼は一生分からないだろう。
「おはよ···」
「おはよ。昨日も遅かったみたいだね。コーヒー飲む?」
「飲む。今日はミルクと砂糖マシマシでお願い」
「ん」
焼きたての二枚のトーストと、ベーコンエッグ。湯気の立つコーヒー。そして、向かい合って座る僕と妻。
「いただきます」
こうして、二人の声が重なる朝のこの瞬間が、僕らにとって何よりの幸せであるということを、彼は一生分からないままなのだろう。
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      公開:20/10/21 12:39      
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