怖い話

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「もうすぐ曰く付きのトンネルだからさ、怖い話しようぜ」
高速道路で渋滞に巻き込まれて暇をもて余した高林がそう言い出した。
「高校受験の日に新幹線が雪で止まって会場に間に合わない夢を見て、慌てて起きて前日入りしていたホテルのロフトから落ちて足を骨折して、結局間に合わなかったお前の話か?」
「ーーそうだ、折れてる足でタクシーに乗ったは良いが、あまりの痛さに気絶して、じゃねえよ、いや、怖かったけど、そういう話じゃねぇ」
「じゃあ、日本沈没?」
「うん、東海林があっちの怖さを避けているのはわかった」
「トンネル嫌なんだよ」
後ろから猛スピードで車の間を抜けてくるバイクが見えた。
「後ろのノーヘルのじいさん、死ぬぞあれ」
東海林が眉間に皺を寄せた。
「あ? じいさんなんか乗ってねぇぞ」
二人が乗ってる車の横をバイクが通りすぎた。
「あれ、位牌だな」
位牌を巻いてるチェーンがバリバリ鳴った。
その他
公開:20/10/19 09:02
都市伝説 バイク乗りはおばあさん 時速140キロメートル トンネル

射谷 友里

射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。

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