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帰省していた実家の廊下で、そのコインを見つけた。
随分古臭いデザインの、玩具か何かのメダル。
不意に、思い出す。
子供の頃、公園や道端に落ちているガラクタやBB弾、色とりどりのガラス片を拾い集め家に持ち帰っては、空の小瓶に放り込んでいた。宝物。
ある日帰宅すると、母がまるごと捨ててしまっていた。
懐かしくなって近所の公園を訪れると、小学生の頃好きだった女の子が犬を連れていた。
「あら、杉田くん?」
僕はどういう顔を作って良いのかわからず、中途半端な笑みを零して頷いた。
すべり台の後ろから、小さな子供が駆けてくる。彼女がその子に手を振って、僕はようやく自然に笑うことができる。
「まあたゴミ、拾ってきて」
困り顔の二人が見つめ合う。
少年はそれをポケットに仕舞って、また走り出した。
「子供には大切なものだったりするからさ」
彼女は少し考えてから何かを思い出したように、そうかもね、と呟いた。
随分古臭いデザインの、玩具か何かのメダル。
不意に、思い出す。
子供の頃、公園や道端に落ちているガラクタやBB弾、色とりどりのガラス片を拾い集め家に持ち帰っては、空の小瓶に放り込んでいた。宝物。
ある日帰宅すると、母がまるごと捨ててしまっていた。
懐かしくなって近所の公園を訪れると、小学生の頃好きだった女の子が犬を連れていた。
「あら、杉田くん?」
僕はどういう顔を作って良いのかわからず、中途半端な笑みを零して頷いた。
すべり台の後ろから、小さな子供が駆けてくる。彼女がその子に手を振って、僕はようやく自然に笑うことができる。
「まあたゴミ、拾ってきて」
困り顔の二人が見つめ合う。
少年はそれをポケットに仕舞って、また走り出した。
「子供には大切なものだったりするからさ」
彼女は少し考えてから何かを思い出したように、そうかもね、と呟いた。
その他
公開:20/10/20 07:00
さまようアラフォー主夫
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