マカロン大臣

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「今日から君をマカロン大臣に任命する」
「何ですかそれ」
「私はマカロンが食べたい!」
「はぁ」
「これは大変名誉ある役職なのだよ。君は私のためにマカロンを用意するという崇高かつ神聖な役目を任されたのだ」
「えぇ」
「頼まれてくれるね?」
「お金もらえるならいいですけど」
「もちろんだ。私の秘密金庫に隠しておいた特別機密費を君に預けよう」
大仰な身振りで大滝さんは封筒を差し出した。中には諭吉が一枚。
「まあ、これだけあれば。じゃあ駅地下にあるお店でいいですか?」
「すべては君に託す!マカロン大臣は君なのだから」
「は、はい…。では、行って参ります」
「頼んだよ。この事務所の未来は君の双肩にかかっていると言っても過言ではない」
「うぅ、重責」
なんだか子供の頃に思っていたのと実際の職場の雰囲気は違うなあ、と思いながら玄関を出ると、ふと後ろを振り返り、私は『大滝弁護士事務所』の看板を見上げた。
その他
公開:20/10/18 22:14
更新:20/10/18 22:57

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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