ウェイター

「こちら、おさげしても良いですか？」
ウェイターにそう言われたので私は「はい」と答えた。
その結果、私の髪はおさげになった。

「ご注文が決まりましたら、こちらのボタンを押してください」
ウェイターにそう言われたので決断しボタンを押したら核ミサイルが発射し、世界は火の海になった。

「こちら、舌平目のムニエルになります」
ウェイターにそう言われたので、ジィーと待っていたら魚の周りから小麦粉が噴射され、檸檬バターで両面をこんがり焼かれた。

「こちら、前菜です」
そう言われて見てみるとゼンザイだった。
「こちら、メインディッシュです」
そう言われ見てみると使い古された大きな皿だった。
「こちら、デザートです」
そう言われ、見てみると辺り一面に広大な砂漠が広がっていた。

「いらっしゃいませ、お一人様ですか」
そう言われたので私は「ハイ、独身です」と恥ずかしながら答えた。