職務質問

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「あの、職務質問よろしいですか?」
「へ?なんですか急に。見てわかりません? 私は泥棒ですよ」
「え?」
「まあ、と言いましても私の場合、女性の心を盗むほうの泥棒ですがねっ!ははは!」
電信柱の後ろでおじさんは笑った。
「でー、ここで何を?」
「何って、あのアパートに住んでいる魚住さんのガードマンですよ」
「はぁ、その方に頼まれて?」
「はは!いやだな、私が自主的にやっているだけですよ。愛する女性のためにねっ。陰徳って言葉知ってます?」
「んーその魚住さんとは知り合いで?」
「いえ。でも、今から必ず盗んでみせますよ、彼女の心を!」
「少しお話を聞きたいので、パトカーまで宜しいですか?」
「え、僕が罪深い男だからかい!?面白いねキミ!あはは!」
「いえ、通報されまして。その女性に」
おじさんは、急にしゅんとなった。
「それ、ホントに?」
「ホントに」
「…刑事さん、女心って難しい、ですね…」
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公開:20/10/19 22:20

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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