カボチャ頭とハロウィン
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                                町内のハロウィンイベントで、近くのお家を仮装して回っている時に、その子を見つけた。黒いマントにカボチャ頭の被り物のその子は、いかにもな雰囲気で、でも、手持ちのバスケットは空っぽだった。どうもモジモジしていて他の家を訪問できないらしく、声を掛けた。
「一緒に回る?」
少し驚いたらしいその子は一言も喋らなかったけど、その後私の後ろにちょこちょこと引っ付いて歩いて来て、一緒にたくさんのお菓子を貰った。一人っ子の私はまるで弟が出来たみたいで、いつものハロウィンより楽しかったのを良く覚えている。
「そろそろ帰らなきゃ」
そう告げると、カボチャ頭の子は少し寂しそうにした後で、私に小さなカボチャのキーホルダーをくれた。お礼を言おうと思った時には、その子は既にいなかった。
そして、もうすっかり私は大人になったのだけど。
「これ良かったら」
毎年ハロウィン限定で、道行く人からお菓子を貰うようになったのだ。
    「一緒に回る?」
少し驚いたらしいその子は一言も喋らなかったけど、その後私の後ろにちょこちょこと引っ付いて歩いて来て、一緒にたくさんのお菓子を貰った。一人っ子の私はまるで弟が出来たみたいで、いつものハロウィンより楽しかったのを良く覚えている。
「そろそろ帰らなきゃ」
そう告げると、カボチャ頭の子は少し寂しそうにした後で、私に小さなカボチャのキーホルダーをくれた。お礼を言おうと思った時には、その子は既にいなかった。
そして、もうすっかり私は大人になったのだけど。
「これ良かったら」
毎年ハロウィン限定で、道行く人からお菓子を貰うようになったのだ。
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      公開:20/10/19 14:39      
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