炎のラーメン男!

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「大変だ、兄さん!火事だって!」
「いま出てきたばかりだぞ、このラーメン!」
「でも早く逃げないと!」
「おい、このラーメンを食べるために俺は何時間、列に並んだと思っているんだ?」
「でも命にはかえられないよ!」
「待ち焦がれた伝説の一杯が今目の前にあるんだぞ!もしここで食べなければ、もう一生このラーメンを食べる機会はないかもしれない!もしそうなったら…俺は、俺は、何のためにこの世界に生まれてきたんだ!?」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」
「うるさああい!!俺は何のために地獄の受験勉強に耐え、ブラック企業に勤め、やりたくもない残業に耐えてきたんだ!?今日まで俺が生きてきた証とはなんだ!?」
「兄、さん…?」
「死んでもいい!俺はこのラーメンが食えるなら死んでもいい!!」
「兄さああぁん!」
弟は絶叫した。
炎の燃え盛る店から飛び出す。
兄の絶叫が聞こえた。
「うまあああああい!!」
その他
公開:20/10/17 19:48

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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