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鍵を、掛けた。

これなら安心だ。だって、誰も入って来られないし、外に出ることもない。
笑顔のプレートを掛けていれば、それで何もかも上手くいく。
だって、みんな、怒ったり泣いたりするより、笑って肯定してくれるやつの方が、良いに決まっている。両親も、先生も、友達も。
僕自身も、ずっと楽だ。余計な心配をする必要はない。
ただ、僕が全部、我慢すれば良いだけなんだから。
それなのに。

「ねぇ、出てきなよ」

何でこいつは邪魔をする?

「嘘くさい笑顔つくってさ、楽しくないでしょ」
「楽しいとか、そんなのは関係ないんだよ。上手く生きていければそれでいいんだ」
「ふーん、そう」

「僕は、君の笑った以外の顔が見たいけどなぁ。怒ったり、泣いたりさ。君が鍵を掛けて、閉じ込めてしまったもの、全部」

「また来るからさ。気が向いたら、僕に見せてよ」
「余計なお世話だ」

···少しだけ、鍵が緩んだ気がした。
その他
公開:20/10/17 11:05

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