軋み

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 ベッドの軋みが、別れの合図だった。弁当の空き容器が、机の上に置かれている。片付けようかと思ったが、やめて、服を着た。男のいびきが、わざとらしく聞こえた。水を飲みたかったけれど、急ぐように部屋を出た。
 上を見上げると、うっすら明るい空が広がっていた。首が疲れたので、前を見て歩き出した。
 私は自分の顔がなくなったような気持ちで、家に向かって歩いた。そういえば水が飲みたかったと思い、途中で水を買って飲んだ。バス停のベンチが目に入り、冷たそうだと思った。
 自分の指を見て、爪を青く染めようと思った。帰る理由が、できた。
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公開:20/10/17 01:54

杉将

基本的に、無、です。

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