猫たちの思い出

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あとから思えば、あの子はわざわざ世話をお願いするために、彼らを連れてきたのかもしれないと、今も強く思っている。

出会いは台風の翌日、晴れた昼過ぎのことだった。ドアの外で猫が鳴く声が聞こえたので開けてみると、そこには白黒の猫がいた。後ろにもう二匹。いそいそとまるで自分の家かのように三匹は入ってきた。

よく観察して、僕と彼女は互いに驚いたものだった。

後ろについて来たそれぞれが、僕と彼女とばらばらに出会っていたからだ。僕は当時働いていた塾に出かける時、彼女は仕事から帰ってきた時、それぞれ家の近所の別々の場所で、キジトラの子と半分虎柄で下半身が白い子と出会っていたのだ。

白黒の子は、僕も彼女も、その日が初めてだった。

結果として三匹を飼うことになったのだが、一匹が病弱で、あとから考えると、何度も死んでいた可能性があった。でも、その子は19年も生きたから、冒頭の結論になるんだ。
その他
公開:20/10/15 14:50
390 白黒の猫は「クロまたはリョ」 雉虎の猫は「ハクハク」 虎と白の猫は「チビまたはトン」 ノンフィクションです

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

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