真夜中会議

「いやもうほんと現代生き難いわ！！」
深夜の居酒屋。座敷席で、ビールジョッキを思い切りテーブルに叩き付けた吸血鬼が喚いた。隣にいた狼男がまあまあ、と吸血鬼を宥める。
「日光が嫌いとかニンニクが嫌いとかもうほんといつの話よ！？胸に杭打たれたら死ぬ！？誰だって死ぬわバーーーカ！！！」
「一杯目で既に酔っておられる···」
「ｱｯ、すいません店員さん、揚げニンニク追加で。あと生おかわり」
「流れるように追加注文するじゃん」
「飲まなきゃやってらんねーよ！つーかお前、ミイラ男お前、エステやら何やら行き過ぎてアイデンティティどこやったよ！？干からびてねぇじゃん！お肌プルップルのスベッスベじゃん！！」
「スキンケアは日々の積み重ねだな」
「まあ生き難いってのはわかりますけどね」
どれだけ文明が栄えようと、時代が進もうと、変わらないものは変わらないし、変えられない。
「あー···ほんと、現代生き難いわ」