歩み

　母親に親孝行をしようと思い、実家に帰った。二泊三日、僕は出されたものを食べ、一日、十二時間寝た。
　帰る時になって、僕は罪悪感を感じた。お世話になりました、今、新幹線に乗りました、と母親にメッセージを送った。
　家に帰ると、少し寂しい気持ちがした。だが、これも慣れるだろう。久しぶりの自宅で、十二時間寝た。
　冷蔵庫の中は空っぽで、だから僕は、外に出た。ファミレスでトーストを食べ、コーヒーを飲んだ。それから少しの間、僕の人生はなんのためにあるのだろうか、なんて考えた。お会計の時に、ご馳走様でした、なんて言ったのは、僕が人生について考えていたからだと思う。
　店を出て、スマートフォンを開くと母親からメッセージが来ていた。また、いつでも来てください、母より。