ゴミ箱ツル
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ゴミ箱の蓋を押しのけ、植物のツルが何本も垂れている。見たところ、太さ十センチ以上はあった。表面には、人の手程の突起が、まばらに生えている。
そんなものが、住宅地の一角に置かれていた。R氏は思わず足を止める。
「根っこはどこにある? まさか、ゴミ箱の底とアスファルトの地面を突き破って、根を張っているのか?」
恐る恐る半開きになっていたゴミ箱の蓋をつかみ、持ち上げた。
ゴミ箱の底の方からツルは生えているようだった。しかし、肝心の穴の底が見えない。試しに石を落としても、一向に反響音は聞こえてこなかった。
「どっ……どうなっているんだぁ?」
R氏は好奇心を抑えることができなかった。ツルの表面にある突起に足をかけてみる。頑丈で足場兼ツマミとして使えそうだった。
「降りよう」
数メートル下ったところで、突然突起が引っ込んだ。R氏は悲鳴と共に奈落へ消えた。
同時にツルが嬉しそうに震えた。
そんなものが、住宅地の一角に置かれていた。R氏は思わず足を止める。
「根っこはどこにある? まさか、ゴミ箱の底とアスファルトの地面を突き破って、根を張っているのか?」
恐る恐る半開きになっていたゴミ箱の蓋をつかみ、持ち上げた。
ゴミ箱の底の方からツルは生えているようだった。しかし、肝心の穴の底が見えない。試しに石を落としても、一向に反響音は聞こえてこなかった。
「どっ……どうなっているんだぁ?」
R氏は好奇心を抑えることができなかった。ツルの表面にある突起に足をかけてみる。頑丈で足場兼ツマミとして使えそうだった。
「降りよう」
数メートル下ったところで、突然突起が引っ込んだ。R氏は悲鳴と共に奈落へ消えた。
同時にツルが嬉しそうに震えた。
SF
公開:20/10/13 21:58
更新:20/10/13 23:02
更新:20/10/13 23:02
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
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