秋箱
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それはキャラメルの箱と同じ大きさと形の箱だった。
パッケージに描かれた絵が素敵だった。
残念ながら、中は空っぽ。
ところが、翌日振ってみたらカラカラと音がする。
開けると中には向日葵と朝顔の種が入っていた。
次に開けた時は、まだ青みの残るドングリが入っていた。
開かぬススキの穂、ムラサキシキブ、紅玉のような柘榴の実。
赤蜻蛉が飛び出して来たこともあるし、金木犀の香りだけの時もあった。
ところが、ある日突然、その箱が燃えた。
中に入っていた焚火が原因だった。
開けた途端、紅葉のような真っ赤な炎が箱に燃え移って、あっという間に全体を包み込んだ。
慌てて窓から地面に捨てる。
既に燃え尽きていた箱は細かい灰になって、土の上に散らばった。
白くなった息の向こうに見えるそれは、初めて降る雪のように、淡く頼りなく、冷たい風に飛ばされていった。
パッケージに描かれた絵が素敵だった。
残念ながら、中は空っぽ。
ところが、翌日振ってみたらカラカラと音がする。
開けると中には向日葵と朝顔の種が入っていた。
次に開けた時は、まだ青みの残るドングリが入っていた。
開かぬススキの穂、ムラサキシキブ、紅玉のような柘榴の実。
赤蜻蛉が飛び出して来たこともあるし、金木犀の香りだけの時もあった。
ところが、ある日突然、その箱が燃えた。
中に入っていた焚火が原因だった。
開けた途端、紅葉のような真っ赤な炎が箱に燃え移って、あっという間に全体を包み込んだ。
慌てて窓から地面に捨てる。
既に燃え尽きていた箱は細かい灰になって、土の上に散らばった。
白くなった息の向こうに見えるそれは、初めて降る雪のように、淡く頼りなく、冷たい風に飛ばされていった。
ファンタジー
公開:20/10/13 21:09
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