遅れてきた夏休み

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真夏の暑さに溶かされそうだと思っていたら、あっというまに冬の足音が近づいて来る。

地球は変わる。どんどん短くなりゆく秋。

足早に過ぎ去る実りの季節。その間隙を縫うように、ふと夏の日差しが帰って来る日がある。

乾いた暑さが心地良い。限られた命を燃やし尽くすように蟬が鳴く。

そんな時期に遅めの夏休みを取ることが、大人になって増えた。

仕事ってのは他人の都合に振り回されるもんだ。暦通りに休めることなんて、基本、ない。

まぶしい陽の光に照らされながら過ごす夏休み。それが10代の夏休み。

翳りゆく陽の光を惜しみながら過ごす夏休み。それが、いま。

年相応に、夏休みも変わりゆく。
その他
公開:20/10/14 18:16

ふみなか( 東京 )

40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。

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