気まぐれ
4
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「一緒に遊んで」
生きる希望も何もかも無くして、山に入った俺の前に現れた少女は、そう言った。現代にそぐわない赤い着物を来たおかっぱ頭の少女は、俺の手を引く。やる気も無くしていた俺は、一言、「ああ、いいよ」とだけ答えて、そのまま山を一緒に駆け回った。どれだけの時間が経ったのか。気が付くと俺は山の麓に倒れていて。
そしてその日から、俺には、良いことばかりが起こるようになった。
「おい、出て来てくれ」
あの日と同じ山に入り、大声で叫ぶ。小脇には、子供の好きそうなお菓子を抱えて。
「なぁ、今日はお土産があるんだ。また一緒に遊ぼう」
出来ればまた、俺に幸運をくれよ。
すると、またあの少女が現れた。あの日と何も変わらない姿で。
「ああ!」
「···つまらないわ」
「え?」
それだけ言って、少女は姿を消した。俺は、呆然とその場に立ち尽くす。
会社が倒産したと連絡が入るのは、この数秒後のことだった。
生きる希望も何もかも無くして、山に入った俺の前に現れた少女は、そう言った。現代にそぐわない赤い着物を来たおかっぱ頭の少女は、俺の手を引く。やる気も無くしていた俺は、一言、「ああ、いいよ」とだけ答えて、そのまま山を一緒に駆け回った。どれだけの時間が経ったのか。気が付くと俺は山の麓に倒れていて。
そしてその日から、俺には、良いことばかりが起こるようになった。
「おい、出て来てくれ」
あの日と同じ山に入り、大声で叫ぶ。小脇には、子供の好きそうなお菓子を抱えて。
「なぁ、今日はお土産があるんだ。また一緒に遊ぼう」
出来ればまた、俺に幸運をくれよ。
すると、またあの少女が現れた。あの日と何も変わらない姿で。
「ああ!」
「···つまらないわ」
「え?」
それだけ言って、少女は姿を消した。俺は、呆然とその場に立ち尽くす。
会社が倒産したと連絡が入るのは、この数秒後のことだった。
その他
公開:20/10/14 13:09
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