すごい本（禁断の悦び編）

とてもすごい本がある。
この本を読むと、えも言えぬ快感に溺れる。あなたの知覚は溶けだし、意識は弛緩する。濃厚な文章がねっとりと皮膚の上を這っていき、肉体の内部を霊的な奔流が駆け巡るのを感じるだろう。やがて世界の爆発的な変化にあなたは感応する。マンホールの蓋が吹き飛ぶように無意識に抑圧された五感のカクテルが溢れ出し、物体は形を失い、色彩は混濁する。無防備な剥き出しの精神に断末魔の身悶えが襲いかかり、両目はカジノスロットのようにぐるぐると回り、天破る破壊的な雷鳴のように音楽が湧き出す。そして身体を巡るすべての血管に甘い蜂蜜が溶けているような、生と死が優しく溶け合っているような超感覚と合一する。意識の反応炉は暴走機関のように燃え盛り、最後には心地よい清冽さが世界の底からせり上がってくる。どろどろと疼く熱い充溢感と、万物を浄化させる神聖な清涼感が、同時にあなたの心身を包み込むだろう。是非ご一読を！