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君と初めて会ったのは、青葉が香る初夏の少し蒸し暑い朝のことだったね。とても小さくて、よく動き回る君だったけど、初対面の僕に少しだけ近寄ってくれたんだよね。

君を我が家に連れて帰った日、今でもとてもよく覚えているのは、君がフローリングの床をパタパタと歩く音なんだ。君は、初めて訪れた我が家がとても不安だったと思うけど、周りをキョロキョロと少し警戒しながら、でも少し嬉しそうに歩くその音がとても愛おしくて、ずっと聞いていたい気持ちになったんだ。

出会ってから半年、君はあっという間に大きくなったけど、僕は君に出会ったあの日の君の足音を決して忘れたりしないよ。
だって、君が勇気を出して我が家のフローリングを歩いて奏でた音だから僕にとっては本当に特別な音なんだ。動画も録音もしていないけど、僕の胸にしっかりと刻まれた君との縁なんだと思ってる。
これからもずっと僕の相棒でいてね、黒柴犬のたいすけくんへ。
ファンタジー
公開:20/10/12 22:15

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