ジャンル分け

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 探偵の助手の友人、という。何とも微妙な立場の彼は、3年前にとある事件で殺された女性達の内一人の弟だった。
 未解決のその事件を追う探偵が、事件の被害者なのではないかと噂される幽霊が出る……と近年囁かれるようになったアパートの調査に入ったと聞き、彼は堪らず探偵助手の友人に訊く。
 「幽霊出た?」
 「いや?」
 友人は応えた。
 「そもそも幽霊なんて存在しないよ」
 「そっか……本当に出るなら姉ちゃん知らないか訊きたかったんだけど」
 「それなら」
 と、友人は言った。
 「話に我々を絡めてはいけないよ。総じて探偵ものにホラーはあまり絡まない。ジャンルは分けたまえ」

 ……彼は一人、幽霊が出ると噂のアパートの前に立っていた。
 彼は幽霊など恐れては居なかった。殺された姉を見付けてやりたい。ただそれだけだった。
 その為の手掛かりでもあれば、と、彼は錆びて重い扉を開けて真っ暗な中へ……。
ホラー
公開:20/10/12 14:29

vaty0

遅筆趣味字書き。

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