お揃い

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幼馴染の彼とは、いつもお揃いだった。
服も色違いのお揃い。食べるおやつも、持ってるオモチャも、好きな絵本も。
それが苦だとは思わなかった。だって、それが当たり前だったから。
「仲良しさんね」
「うちの子も、貴方達みたいに仲が良かったらいいのに」
周りの大人は私達を見る度に、口を揃えてそう言った。それが嬉しくて、彼の顔を見て笑うと、彼もいたずらっぽく笑った。
私達は、ずっとお揃い。
何年経っても大人になっても、ずっと、ずっと。



そう信じて、疑わなかった。



「ごめん、お前のこと、幼馴染としてしか見れないんだよな」
申し訳なさそうに告げた彼は、「じゃあな」と言って先に帰って行く。

そういえば、同じ帰り道を一緒に歩かなくなったのはいつからだったっけ。
お揃いのキーホルダー、いつから彼は付けていなかったっけ。

ずっとお揃いの幼馴染でも、想いだけは、お揃いにはなれなかったな。
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公開:20/10/13 15:00

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