おばぁちゃん

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小学生の頃、週末は決まって母方の祖父母の家で過ごしていた。
ゲーム機で遊んだり、駄菓子屋さんやおもちゃ屋さんへ連れて行ってくれる祖父、お寺へ行ったり八百屋さんへお買い物、ちらし寿司を一緒に作った祖母。
 
高学年になり「身長が同じになってきたね。」と交わした言葉が、まともに祖母と話した最後の記憶である。

とある平日の夕方、家のインターフォンが鳴り玄関を開けるとそこには知らない中年女性と祖母がいた。

「こんにちは。お母さんいるかな?」

不在を伝えると、

「おばぁちゃん…お家に帰れなくなっちゃってたみたいで…。」

ーーお礼を伝えた後、玄関に招き入れた私を認識していない祖母はすぐ外へ出ようとドアノブへ手をかけた。
とっさに私も強く握り、母が帰宅するまで待っていてほしいと何度も何度も繰り返し伝える。
意思の通じない恐怖と悲しさで泣き叫びながら、数十分が何時間にも感じるほど懇願し続けた。
その他
公開:20/10/13 11:12

ねむだる

文章を書く勉強中。
 

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