加速リモコンの殺人(読者への挑戦状付き)

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薄暮の中、鐘が鳴る。
今、ロッカーで寺男の私が握る加速リモコンは物質を加速させる機能がある。
さる筋からの甘言が邪念を刺激し、高額をはたいた。ただ人には使えない。一気に年を取らせ衰弱死させる事は不可能だ。
あの傲慢な和尚を殺したい。奴の車を加速させ何かにぶつけて殺すか?いやデメリットが大きい。ブレーキがあるし、目撃者がいれば急加速した不自然さを疑われる。更に怨みのある者が機械系統に細工したのではと、私に火の粉が降る恐れも。事は自然に運ばねば。…そうだ自然の力だ。閃いた。
翌朝、白装束を羽織った和尚が修行に出る。密かに後をつけた。ひとけの無い滝行だ。

読者への挑戦状
寺男はどうやって和尚を殺すか?

和尚が一礼して滝壺に入る。滝に打たれ、経を唱え出した。私は物陰から落ちゆく滝へリモコンを向け、ボタンを長押しした。滝の流れは速まり、やがてウォーターカッターと化した滝は和尚の身体を切り刻んだ。
ミステリー・推理
公開:20/10/11 19:08
更新:20/10/11 20:57
400字 一度やってみたかった挑戦状

文豪たこ( 神奈川 )

「30秒後に意外な結末」がテーマの140字ショートショーティスト。

面白ければそれでよし、と思って書く日々。

2020.7.15『影ができるスプレー』を初投稿。以降、約半年で150作品を執筆。

◎2020.11.15『ハロウィンの怪人』急上昇ランキング2位
◎12.05『星を見つけた』急上昇ランキング1位
◎12.19『無視される日本語』急上昇ランキング3位
◎12.25『高給な副業』急上昇ランキング3位
◎2021.2.6『ひねくれもの』急上昇ランキング2位

皆様からの「面白かった」が聞ければ、それ以上の喜びはありません。

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