冷たい雨の降る夜、段ボール箱を拾った

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冷たい雨の降る夜、俺は道の片隅で震える段ボール箱と出会った。
通行人は誰も段ボール箱に目を向けない。俺は段ボールを拾った。
家に帰ると汚れを洗い落とし、ドライヤーで乾かした。
多少ヨレは残るものの、段ボール箱は元気を取り戻した。

長く続いた雨が止み、俺は段ボール箱と散歩に出かけた。
「青森りんご!」
少年が俺のもとに駆け寄ってきた。
「良かった…ずっと探していたんだよ」
どうやらこの段ボール箱の元の飼い主らしい。
俺の脳裏に段ボール箱と過ごした数日間が駆け巡る…だが元の飼い主に返したほうがこいつも幸せだろう…俺は段ボール箱を少年に渡した。
少年は嬉しそうに走り出す。
その時だ!突風が吹き、段ボール箱が俺の手元に帰ってきた。
お前…俺と一緒にいたいのか?
聞くまでもない。俺は段ボール箱を抱きしめ、走り去った。

「という経験があって、僕は風で飛ばされない・盗まれない段ボールを開発しました」
公開:20/10/11 18:56

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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