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「これは魔法のスクラッチくじです」
ブルーシート・テントの隙間から、老婆の腕が差し込まれた。
「必ず当たります」
「あんたは?」
返事はない。老婆は姿を消していた。
曰く、削った金属の価値に見合うものが、必ず当たるのだと言う。
スクラッチくじは二枚あった。
男は試しに、手持ちの十円玉を使った。
『あたり』
何も起こらないので外に出ると、足元に百万円の束が落ちていた。
「おいおい、マジかよ」
男は考えた。価値の高い金属、価値の高い……。
数十年後、ある探検家の男がテレビクルーのインタビューに答えていた。
「もうすぐ夢が叶います」と男は言った。
インタビュアー達は戸惑っていた。
「沈没船を発見する以上の、何があるっていうんです?」
その夜、男は地下室の隠し金庫に向かった。
分厚い扉を開くと、中からあのスクラッチくじが現れた。
男はにやりと笑い、銀色の被封部分に金塊の角を押し当てた。
ブルーシート・テントの隙間から、老婆の腕が差し込まれた。
「必ず当たります」
「あんたは?」
返事はない。老婆は姿を消していた。
曰く、削った金属の価値に見合うものが、必ず当たるのだと言う。
スクラッチくじは二枚あった。
男は試しに、手持ちの十円玉を使った。
『あたり』
何も起こらないので外に出ると、足元に百万円の束が落ちていた。
「おいおい、マジかよ」
男は考えた。価値の高い金属、価値の高い……。
数十年後、ある探検家の男がテレビクルーのインタビューに答えていた。
「もうすぐ夢が叶います」と男は言った。
インタビュアー達は戸惑っていた。
「沈没船を発見する以上の、何があるっていうんです?」
その夜、男は地下室の隠し金庫に向かった。
分厚い扉を開くと、中からあのスクラッチくじが現れた。
男はにやりと笑い、銀色の被封部分に金塊の角を押し当てた。
ファンタジー
公開:20/10/16 07:00
更新:20/10/14 06:46
更新:20/10/14 06:46
さまようアラフォー主夫
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