縁探偵・由雁屋 縁視郎

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銃声。残響。
縁探偵・由雁屋 縁視郎はため息をつく。
「ヤクザ屋さんとドンパチは、依頼になかったんだけどねぇ…。」

ーー時は少し遡る。

「作曲家だった夫の形見を探してください。」

依頼の品は、壊れたオルゴール。写真を一見しただけで、探偵にはその価値がわかる。

彼にはモノの"縁"が見える。

暴力団「無縁会」の盗品倉庫にオルゴールはあった。組員の銃口が探偵を狙う。

「こいつ…弾が当たらねぇ」 
なんの哲学もない弾道。結果には原因がある。モノの"縁"が見える探偵には銃弾を避けるなど容易い。

窮地を脱し依頼人の元へ

「壊れていたのに、どうして…。」

オルゴールがメロディを奏でる。
巨匠と呼ばれた作曲家、幻の曲。芸術的価値も高い。しかし…

「思い出の…曲なんです。」

涙する依頼人、探偵はそっとハンカチを渡す。

「修理はサービスですよ。『ゆかりあれどもぬかりなし』ってね。」
ミステリー・推理
公開:20/10/12 06:25
更新:20/10/12 07:47
ゆかり えにし 縁探偵(ゆかりたんてい) 由雁屋 縁視郎 ゆかりや えにしろう

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


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