タンスに小指スイッチ
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ここはタンスと棚が所せましと並ぶ研究室。発明家のR氏は、中央のテーブルに置かれた黒いスイッチを眺め、ため息をついた。
「私が作りたかったのは引力制御装置だったのに」
やっとの思いで完成したのは『使用したい相手へ向けボタンを押すと、半径3メートル以内にあるタンスに引き寄せられ小指をぶつける』スイッチ。まるでわけがわからない。
「血のにじむような実験に明け暮れた成果が、これか。自分の無能さにイライラする!」
その時だった。窓を突き破り、覆面の男が部屋に侵入してきたのだ。手には銃。
「発明品と開発資料をよこせ。どうでもいい品でも特許を取れば、財布の足しになる」
『どうでもいい品』。その一言が引き金だった。研究疲れで苛立っていたR氏はとうとう発狂した。
「このド腐れ強盗がッ!」
R氏はスイッチを連打。
強盗は部屋中のタンスに何度も、何度も、何度も、何度も叩きつけられ動かなくなった。
「私が作りたかったのは引力制御装置だったのに」
やっとの思いで完成したのは『使用したい相手へ向けボタンを押すと、半径3メートル以内にあるタンスに引き寄せられ小指をぶつける』スイッチ。まるでわけがわからない。
「血のにじむような実験に明け暮れた成果が、これか。自分の無能さにイライラする!」
その時だった。窓を突き破り、覆面の男が部屋に侵入してきたのだ。手には銃。
「発明品と開発資料をよこせ。どうでもいい品でも特許を取れば、財布の足しになる」
『どうでもいい品』。その一言が引き金だった。研究疲れで苛立っていたR氏はとうとう発狂した。
「このド腐れ強盗がッ!」
R氏はスイッチを連打。
強盗は部屋中のタンスに何度も、何度も、何度も、何度も叩きつけられ動かなくなった。
SF
公開:20/10/11 22:48
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
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