スリー風

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俺は足の親指の付け根がスーパー痛くて病院に向かった。

「先生、またやっちゃいました」
「まったく、毎晩飲みすぎなんだよ君。……ん?」
「どうしたんすか。どうせ痛風でしょ?」
先生は血液検査の結果を見たまま固まっている。
「先生?」
「これは痛風なんてレベルじゃない。スリー風だ!」
「スリー風? なんすかそれ」
「痛風の痛さを200とすると、300だ」
「げ!!」
先生は、憐れむような目でこちらを見ている。
「プリン体を摂取しすぎてプリン・ア・ラ・モード体に進化すると発症する」
「ちょっと美味しそう」
「このまま次のステージ、つまりフォー風になると……口にするのも恐ろしい」

先生はそれ以上教えてくれなかった。
仕方ないので、俺はその足で行きつけのスナックに向かった。

このままステージを駆けあがれば、いつかスーパー地球人になれるかもしれない。
そんなことを考えながら、俺は今日も酒を飲む。
青春
公開:20/10/11 21:29

UBEBE

おっさんになりましたが、夢は追い続けます

「小説は短く、人生は永く」

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