工場

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やっと我が工場にも活気が戻ってきた。今回のウイルスにはほとほと困った。感染が相次ぎ、従業員の半分が稼働できなくなってしまった。

仕方がないので、残った従業員の労働時間を倍にし、なんとか生産ラインを止めずにすんだ。案の定、従業員のエネルギー不足や故障が相次いだが、無理やり回した形だ。この緊急事態であるから、従業員達もわかってくれているはずだ。

同業他社の工場長と情報交換する機会があった。
「いやぁ、今回のウイルスにはまいったよ。うちは無理やり労働時間を倍にして対応したんだ。」
「お前知らないのか、人間はウイルスにかからないんだぞ。うちの工場では代わりに人間を従業員として雇い入れて対応したんだ。」

人間がコンピューターウイルスにかからないとは知らなかった。これはいいことを聞いた。

「でもあいつら、俺らロボットと違ってサボるから気をつけろよ。」
とその工場長は念を押すことを忘れなかった。
SF
公開:20/10/10 18:31

Amarido

都内在住のOLです。本を読むのが好きです。
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