縁神社

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長過ぎる階段を上り、神社にやってきた。
小さな神社だが、縁があるらしい。
「お参りですか!?」
突然目の前に巫女が現れた。
髪を結んでいる鈴の髪飾りが、動くごとに音を鳴らしている。
「なるほど…縁がない顔をしてますね」
失礼なことを言われたが当たっていた。
出会いがなく悩んでいたのだ。
「そんな顔をしないで!私の縁を分けてあげるから!」
巫女は、俺の手を両手で包んだ。
「あなたに、素敵な縁がありますように…」
目を瞑り、俺の為に祈ってくれた。
温かくて、指先まで優しさが伝わってくる…。
「今度は一人じゃなくて、二人で来てね!」
鈴の音で我に返ると、巫女はいなくなっていた。
…幻覚だったのだろうか?

数ヶ月後、再び神社にやってきた。
今回は一人じゃない、二人だ。
鈴の巫女を探したが誰もいない。

「にゃー」
賽銭箱の前に鈴を付けた猫がいた。
俺達に向かって、もう一度、にゃーと笑顔で鳴いた。
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公開:20/10/10 17:32
更新:20/12/12 09:44
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たーくん。( 関西 )

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