私の養子

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政府は、一定の収入がある独身者に、身寄りのない子供を養子とさせることを義務付けた。
私は独身で、実家暮らしのため、生活には余裕がある。
私の所にも来るんだろうか。子を持つのも悪くはないけど。

ピンポーン!「宅急便です。」
ドアを開けると、配達員に抱えられた赤ん坊が眠っていた。
「何?この毛むくじゃらな赤ちゃんは?」
「政府専用のマッチングアプリであなたに最適だと選ばれた子ですよ。」
「これも何かの縁かしら。」
私はその毛むくじゃらの赤ん坊を部屋に入れることにした。
「ここあ、誰か来たの?」
母の呼ぶ声がする。
私は説明をしに、母がいるリビングへと向かう。
ふかふかのソファーに座ると、母が怒った。
「もう、掃除したばかりなんだから!ここには来ないでっていってるでしょ。」
私は仕方なく、ベランダへ出た。

「ったく。ウチの犬は自分を人間だと思ってるんだから!」
母が何かつぶやくのが見えた。
ファンタジー
公開:20/10/10 23:29
更新:20/10/11 08:48

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